ぼくは愛を証明出来なかった。【非モテフルコミット大爆発】
前回の続きである。
恋愛工学を知った僕は衝撃を受けた。
そして、自分がなぜこれまで、恋愛で上手くいかなかったのか、なぜ好きな人と付き合えないのか、次々に、論理的に解明ができた。
自分に当てはまることが多すぎるのである。
結果的に、恋愛工学のメソッドを学んだ僕は、3回目のアポでようやくゴールに辿り着いた。
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この日も居酒屋アポ。
駆け出し工学生の僕は、店を出た後、明確な意図を持って、ハンドテストをした。
あっさりとクリア。
全てはこのあとセックスをして、長期的な関係になるためである。
終電はまだあったが、タクシーへ。
強めのグダはあったが、結局は自宅へ。
着いてからも、甘美な茶番。玄関前でキス。
難なく部屋の中へ。
しかし、ここで僕の非モテが出た。
がっついてしまったのである。
ろくに前戯もしないまま、挿入。
そして、射精後。
彼女は、「付き合ってない人とするのは初めて。」と言っていた。
本当かどうかは分からないけど、恋愛工学的には悪くない言葉だと思っている。
ただ、更に減点を重ねる僕。
一仕事終わったかのように、煙草を吸いにベットを離れたのだ。
何をやっとんねん、と。
そして2回戦。今思えば、彼女はほとんど感じてなかったと思う。自分が射精することしか考えていなかった。
ここまで引き延ばした時点で、付き合うというゴールに対して勝負はついていたのだと思うけど、さらに減点を重ねてしまった。
翌朝、目を覚ますと彼女は僕の腕枕から消えていた。
「鍵開けたまま出ちゃった、ごめん!」
との連絡。なぜか僕はすぐに返信せず、その日の夜まで連絡を返さなかった。
またしても減点。コミットを示すべきところだ。
そして、先日誕生日を迎えていた彼女にこう返したのだ。
「そう言えば、プレゼント買ってたんだけど、渡しそびれたから、今から家に持っていくね!」と。
ただのストーカーである。
そして返信が無いにも関わらず、僕は彼女の最寄駅に向かった。
そして、カフェで待機していた。
これを読んでる同志の皆は、こう思うだろう。
『キモすぎるっ......!!』
と。
そう、キモすぎたのである。
一回ヤれた事で、彼氏面のような、ストーカーのような、非モテフルコミットを発動した。
結局、
「今日は会えない。」
という返信と共に、僕たちは2度と顔を合わせる事はなかった。
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僕にとっては、2年ほど片思いしていた女性だった事もあり、あまりのショックに数日間引きこもった。
そしてこんなに付き合いたいと思った子は初めてだったから、なおさら悔しかった。
ただ、振り返ると僕は恋愛工学を何も理解していなかった。
自分の欲のままに行動し、相手の事を考えようとしていなかった。
今では、何が悪かったのか理解できる。
辛い時間だったけれど、多くを学ばせてくれた彼女には心から感謝している。
最後に。
僕は恋愛工学のテクノロジーを駆使して、好きな人とたくさんセックスがしたい。
そして、長期的な関係を築きたい。
これが偽らざる本音だ。
「恋愛とはゼロサムゲームではない。
お互いが幸せになる、プラスサムゲームなのだ。」
叶わないけれど、もう一度彼女に会えるのなら、こう伝えたい。
「情けない男だったね。ごめん。」
と。