ボーイフレンドクラッシャー発動

またもや、やり捨てされた話をしようかと思う。

 

2ヶ月前の話だが、まだ記憶が鮮明なうちに、自分への、そして同志達への備忘録として。

 

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彼女は、自覚美人だった。ちやほやされてきた事が、会話や行動から読み取れる。

それでいて負けん気が強く、一生懸命なとこに惹かれた。

 

この子も客観的に見てAクラスだろう。ここではエイ子とする。

 

僕は恋愛工学を知り、着実にマインドセットを鍛錬していた。

女性には困っていない、いくらでも替えはいる、というマインドである。

そんなスタンスで連絡を取っていたエイ子と、アポが決まった。

 

何度か日にちの変更がありながら、代替日を提案してくれるエイ子。

また彼氏がいる事を知っていた僕は、それでもアポが決まる事に対して、対戦前から、

 

「これはいけるな。」

 

という確信があった。

 

週刊金融日記のバックナンバーや、マスターゴッホのVoicyを聴きながら、彼氏持ちの女の子に対するマインドセットを入念に準備した。

 

迎えたアポ当日。

 

お互いの共通話題から、徐々に恋愛話に切り替えた。

どこからが浮気なのか、今まで浮気の経験はあるのか。

エイ子は感情が高まってきたのか、ペラペラ喋っておりましたな。

 

この1軒目でCフェーズクリアと、若干のSフェーズへのシフトが上手くいったのだと思う。

 

「長いこと付き合ってて、すごいね。連絡も頻繁にくれるみたいだし。羨ましいよ。大切にしなよ。」

 

と、パッシブディス。

 

話を聞いてて、エイ子の彼氏は完全に非モテフルコミットだと思った。

こういう彼氏と付き合ってる女の子は、一方でGood Jenesを求めている事も経験から学んでいる。

 

「男も疑われることばかりで辛い時もあるよ。ところで、その前の彼氏はどんな人だったの?」

 

奥義、ボーイフレンドクラッシャー発動。

 

「付き合ってる期間も、他にいいと思った人はいたよ。今はいないけど!」

 

そんな軽い女じゃないよ、と言いたげな彼女の気持ちが伝わる。

 

しかし、

 

「彼氏には会社の飲み会って言ってきたんだよね。」と。

 

ここで勝利を確信した。

 

ワインを一本空けた頃、2時間が経とうとしていた。

次はどこに行こうか、なんて会話をする事もなく、店を出た。

 

ちょっとトイレ行ってくるね、というと

 

「うん!待ってるね!」

 

と、ワントーン高い可愛げな声。

 

一つ一つ、彼女の脈ありサインを読み取っていた。

 

恋愛工学に出会う前の自分では考えられない成長ぶりだ。

このレベルの子であれば、おそらく挙動不審全開で、そもそもアポすらも組めていないだろう。

 

そして、

 

「まだ飲めるよ!」

 

という彼女。

 

気づけば2軒目に向かっていた。

道中、向こうから腕を組んでくるというサイン。

上機嫌にお話しておりました。

 

適当に飲んで、2軒目を出る。

 

既に終電はない。

肌寒くなり始めた時期であったため、寒いねーというと、彼女は自分のマフラーを僕の首に巻いてくれた。

 

完全に勝利を確信した僕は、ここでハンドテスト。

あっさりクリア。

 

水を買うためにコンビニに向かう。彼女は僕の手を終始離さない。

 

路上に座り、お互いに水を飲む。

「この後どうしようか?」

なんて野暮なことは言わない。

ただ、このドキドキするような甘美な時間をお互いに味わっていた。

 

そして手を取り、何も言わずにホテルへ歩き出す。

近付くにつれ、形式グダ発動。

 

「どういうこと!?え!?行かないよ!?」

 

必死に建前を作っておりました。もはやその姿が可愛い。

建前を建前だと見抜けるようになった自分の成長を感じる。

以前の僕であれば、絶対に手を引いていただろう。

 

「いいから行くよ!」

 

ホテルイン。

 

ここまでは絵に描いたような理想的な展開である。いわば予習通り。

 

ただし、ここから僕たちは急展開を迎えることになった。

 

 

次回へ続く